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pon

Author:pon
第13回文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品「Organic」アニメ作家。演出・作画として「TBS日本昔ばなし」「NHKみんなのうた」他。NOVAなどCM多数。NHK「お母さんと一緒」内のアニメーションは たくさん原画作画しました。「こんなこいるかな」「スイングキッチン」「くまの子ウーフ」「でこぼこフレンズ」「ミッフィ」etcホームページhttp://www.pon-plan.com/
アニメ「リタとナントカ」が6/6(月)から
6/11(土)までフランスで開催される
アヌシー国際アニメーションフェスティバル2011に ノミネートされました。アニメ「リタとナントカ」が 7/20(水)から24(日)まで、ソウルにて 開催予定のSICAF(ソウル・インターナショナル ・カートゥーン&アニメーション・フェスティバル)のTV部門におけるオフィシャルセレクション作品に 選ばれました。

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日本の3DCGアニメーションの目標は?
昨日の日記に質問があったので
改めて答えておきます。


> はじめまして。3DCGに携わるものの一人です。
> いつも楽しみに読ませていただいてます。
>
> > 1作1作確実に課題を克服して
> > 精度をしっかり上げて今の位置まで来ている。
> > ボクはその進化していく
> > 方向がぶれていないことに
> > 脅威を感じる。
>
> ここについて「なるほど!」と思ったのですが、なぜアメリカ映画の作品は方向性がぶれることなく進化し続けることができているのでしょうか?
> 日本の制作現場と、アメリカとでアプローチの仕方に違いがあるのでしょうか?
>
> PONさんの見解を聞かせていただけると嬉しいです。
> よろしくお願いいたします。


ありがとうございます。
この件に関しては3DCGが専門ではないので100%
正解という答えを出せないと思います。
私はこう考えます。
まずピクサ―を代表とするアメリカは
圧倒的に資金があり、常時次から次へと
仕事がある。受け皿がしっかりしているから
若い才能も集まる。
資金があるということはCGで問題だった
肌の質感、髪の質感、メタモなどの挑戦など
モンスターズインク、Mrインクレディブル、etcで
次々と「CGでここまでできるんだ・・」
という成果を売りに成功していったと思う。
常時仕事が発生しているから、
その時点でクリヤできたスキルは
生かしつつ次の作品の課題は何か?
それをクリヤするためには何が必要か、
ピンポイントでプラスしていく。
今までのスキルをちゃんとためて
生かしていることが明白だ。
ピクサ―でも、ドリームワークスでも
古い順に想像してみてください。
確実に進化してるのがわかる。
10年、20年単位での
しっかりした戦力を感じる。

ラプンツェルがいままでの軌跡を
受け継ぎ、最高のスキルであることが
見れば一目瞭然なんだ。
歴代の作品群を考えて見てください。
まず人形、動物、子供、老人・・・
と描きやすい対象から少しづつ
クリヤしていき、最終形の
「大人の人間」をできるだけ避けて
く創ってきた。
今回はその「大人の人間」を真っ向勝負で
しかも心の機微をしっかり
演技と表情で描ききっている。
感心するのは視線の違和感のなさ。
対象物をちゃんと見ていない視線が
多かった。今回の
「ラプンツェル」ほどくるくると感情が
変化して愛らしいキャラクターははじめてだ。
それほどキャラクターに存在感があり
臨場感があった。しかも現代の観客に
対して白けないように、
リアルなキャラクターとして工夫がある。
共感できるように等身大の19歳として
描いている。




ボクがぶれていないと言っているもの。
それはディズニーの伝統的な
2Dのアニメーションスキルだ。

ピクサ―のラスターがオールドディズニー
をリスペクトしており、
3DCGにおける「命」を2Dアニメーションに
目標に置いているためにゴールが
はっきり見えているのだ。

TVアニメが日本で独特な道を歩んできて
枚数制限のために演技をおろそかにして来たツケが
今の日本のアニメの危機だと思う。
ストーリー、演出、カメラワークは
洗練されすぎていったん壊して構築
する必要があるくらいかもしれない。
反面演技をずっとおろそかにしていた。
それは2Dアニメで枚数をかけるということが
作品成立の足かせになっていたから。

日本の3DCGの始まりは
「ファイナルファンファジー」だった。
視線も定まらず、演技らしい演技もできず、
退屈な作品だった。
スタート時点から戦略と呼べるものはなかった。
それが現在も行き当たりばったりということ。


日本独特の3DCGアニメを発展させていく!
とみんな言うがそう簡単じゃない。
できれば恒常的にチームとして
技術、などの蓄積と応用、トライ&エラー
ができるようにならないと難しいだろう。
それと2Dアニメーションスキルを持った人を
スポイルするのではなく互いに尊敬しながら
作っていく必要があると思う。
ラセターが行ったように。

なぜか日本では3DCGに2Dアニメーターが
関わる機会が少ない。2Dアニメ関係者と
3Dアニメ関係者がもっと交流していいと思う。
よく聞くのはお金がないから2Dアニメーター
の指導を受ける余裕がないと。
2Dアニメ関係者はもっと3DCGの可能性を
信じていかないとどちらも不幸なことになる。
どちらも必要なことでうまく
融合できたものが今後の3DCGアニメーション
を創っていくと思う。

答えになっただろうか?
まだまだ考えられることはたくさんあるのだけど、
うまくまとめられない。

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アニメーション | 10:41:21 | トラックバック(0) | コメント(3)
コメント
アニメ教育にも・・・
もっと言うと教育ということにも繋がってきます。
アメリカでは3DCGをやるのでも
初めの1年以上2Dのアニメーションスキルを
学びます。中心になるのが「アニメーションサバイバルキット」です。
3DCGも2Dアニメーションが出来るくらい
スキルをあげるんです。
だから完成を想像すると明らかに差が出てくるのは当然です。

徹底した2Dのアニメーションスキルを
一度は通過する必要があるのです。
たとえ日本独特の
ジャパニメーションといっても!!!

それとディズニーやピクサー、ジブリの様な長く
DNAをつなげていける工房のようなところが
必要だ。
2011-05-04 水 09:31:48 | URL | pon [編集]
Re: Re: 回答ありがとうございました。
> すすめ、いとしい風よ。さん
>
> 返事ありがとうございました。
>
> 大事なことなので誠実に考えていることを
> お答えしてみました(笑)
> あなたのまとめてくれた文章が簡潔で
> その通りなのです。
>
> こういう考え方は10年も15年前からずっと
> 同じ考え方をしています。
> CGが全盛のころも意外とラフだけは
> アナログの動画を描いてCG屋さんに渡して
> 仕事したりしていましたが、
> 何年たっても動きのメリハリなどが
> うまく表現できずに歯がゆい思いをしていました。
> 感じていたことは
> 演技ではなくモーションとしてしか
> アニメーションを捉えていないと
> いうことがわかりました。
>
> それは今の2Dでも動画の方でどれくらいの人が
> 中割を演技として意識して作画をしているか?
> ほとんど中割を単純にタップ割りで
> 立体のものとしてより
> 線と線の間に線を入れていく機械的な作業と
> 思っている人が多いと思います。
> 単に原画と原画の間に線を埋めていくと
> 考えている動画マンが多いと思います。
> とんでもないことで
> 本当はアニメーションの演技で
> もっとも大事なことは動画の一枚一枚なのです。
> 動画の1枚の次の変化率がすべて
> 「演技」というものに反映していくんです。
> 結局「演技」をこだわっていくのであれば
> 動画、原画、作画監督と進んでも
> 動画には関わっていかないといい「演技」に
> 繋がっていかないのだけど、
> 動画から原画になると、動画はしなくなる
> とか考えがおかしいと思っている。
> アニメーションでいい「演技」を
> 表現するということは
> 動画の一枚1枚が繋がっているということ。
>
> それは3DCGで言えば
> 1秒の30分の1の動きと次の1秒の30分の1の動きの
> ポーズや表情の変化率が「演技」を決めていく。
> 細かく言えば絵を間引いたりしながらメリハリを
> つけていく。
>
> アニメーターというのは役者に近いのです。
> 映画の役者を想像してもらえば
> 自分の一挙手一投足が反映するということを
> 忘れてはいけないと。
>
> もちろん「演技」だけで言いというわけではないのですが、
> 日本のアニメで足りないことが「演技」なのです。
>
> すみません、また長くなってしまった(笑)
>
> PS:どうもあなたのコメントだけが表示できないのです。
> キーがかかってしまい反映できません。そんなこともあって
> あえて記事にしています。
> それとこういうことをある程度知ってはいても
> 話したり書いたりしてあるものを
> あまり見てないのであえて
> 学生向けを言うことも含めて
> 取り上げています。
>
> 質問もありがとうございます。
>
> いつか仕事をして一緒にやりましょう。
>
>
> PON
>
>
> > ご回答ありがとうございました。
> > 記事になっていたのでビックリしました(笑)
> >
> > 向こうのアプローチは3DCGアニメーションの基盤と最終目標を伝統的なセルアニメに置いている所と、課題をクリアしたスキルを、次の作品ではデフォルトスキルとして確実に活かした所にブレないで進化していくための軸があるということですね。>
> > また、恒常的な資金と仕事が課題を生み出し、クリアするために良い土壌となっていること。その成果物でさらに資金と仕事を生み出すサイクルをつくったことが原動力になっているということでしょうか?
> >
> > 丁寧に回答いただき、ありがとうございました。
> > これからの自分の仕事のアプローチの仕方に活かしたいと思います。
> > 私はまだまだ下っ端の制作者ですが、いつか一緒にお仕事できたらと思います。
> > ありがとうございました。
2011-05-04 水 09:20:08 | URL | pon [編集]
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2011-05-04 水 08:46:15 | | [編集]
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